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【2026年対応版】収益アパート・マンションで法人契約を増やす実務ガイド

2025/12/17

大手法人・社宅代行に「選ばれる条件」と募集資料・契約書の見直しポイント(監修:RESUS社会保険労務士事務所/社会保険労務士・宅地建物取引士 山田雅人)


はじめに|法人契約は「営業」ではなく「条件整備」で決まる

収益アパート・マンションの空室対策として、法人契約(借り上げ社宅を含む)に関心を持つオーナー・管理会社は少なくありません。

一方で、

「法人契約は手続きが面倒そう」

「うちの物件では難しいと言われた」

「過去にトラブルになったと聞いた」

といった理由から、十分に検討されないまま選択肢から外れているケースも多く見受けられます。結果として、本来検討対象となり得た法人契約の機会が十分に活かされていない場合もあります。年々厳しくなる賃貸マンション経営において、『機会損失』があるのではないかと思ったかたがこのサイトに訪れているはずです。

実務上、法人契約の可否を分ける最大の要因は物件の立地や築年数よりも、募集条件・契約条件・運用ルールが整理されているかどうかです。本記事では、法人契約を「無理に増やす」ためではなく、法人・社宅代行の選定プロセスに“自然に載る状態”を作るための実務的な整理方法を案内します。


法人契約はどのように決まるのか|基本構造の整理

法人契約では、多くの場合、

  1. 企業側で人事発令・異動が決定

  2. 社宅代行会社または指定仲介会社が物件を選定

  3. 募集条件・契約条件が法人基準に合致する物件のみが候補化

  4. 入居者本人の内見・意思確認

  5. 法人・代行会社による契約条件確認

  6. 契約締結・入金・鍵渡し

という流れを取ります。

この過程で重要なのは、「申込が入ってから調整する」のでは遅いという点です。募集段階で基準外と判断された物件は、条件交渉の土俵にすら上がらないことがあります。


募集資料で最初に見られるポイント|法人フレンドリーな表示になっているか

法人・社宅代行が最初に確認するのは、物件そのものより募集資料(条件表・図面)です。

募集条件見直しの基本視点

「すべて緩和する」ことが目的ではありません。貸主の方針を明確にし、後出しを防ぐことが重要です。

募集資料チェックポイント(代表例)

✅法人契約(社宅代行含む)の可否が明記されている

✅鍵渡しの基準(入金ベース/契約締結ベース)が整理されている

✅更新料・更新事務手数料の有無・水準が明示されている

✅短期解約違約金の設定有無・条件が明示されている

✅連帯保証人・保証会社・保険加入の取り扱いが整理されている

✅鍵交換費・クリーニング費等の負担区分が明記されている

✅定期借家・用途制限・特約など重要事項が事前に開示されている

✅「条件相談可」の範囲が曖昧になっていない

これらが整理されていない場合、物件自体に問題がなくても紹介対象から外れることがあります。「申し込みが入ってから決める」方針のオーナーも多くありますが、申込後に契約不可となれば法人とトラブルになるため、法人を扱う不動産仲介会社はリスクが不明な物件は基本的に紹介しません。


契約書でよく確認される論点|法人審査で止まりやすいポイント

申込後、法人や社宅代行会社は契約書の条文・特約を細かく確認します。

ここで整合性が取れていないと、申込がキャンセルになるケースもあります。

契約条件整理の視点(一般例)

※以下は一般的な論点であり、地域慣行や管理会社の約款により調整が必要です。

  • 法人契約時の連帯保証人の扱い

  • 賃料改定条項(協議条項の有無・表現)

  • 入居者の範囲(従業員・関連会社等)の整理

  • 短期解約違約金の有無・水準

  • 更新条件(期間・更新料・事務手数料)

  • 解約予告期間(借主側・貸主側)

  • 原状回復の考え方(ガイドライン準拠等)

  • クリーニング・消耗品・鍵交換の負担区分

  • 火災保険の加入主体と責任範囲

  • 水道光熱費・町会費等の負担者

重要なのは、「法人だから特別」ではなく、「誰が見ても説明できる状態」にしておくことです。


よくある誤解|法人契約は本当にトラブルが多いのか

「社宅代行会社は条件がキツい」「法人契約は家主に不利」「法人契約は退去時精算で揉めやすい」と言われることがあります。

実務上、トラブルが発生しやすいのは、

  • 契約書・募集条件の記載が曖昧

  • 負担区分が整理されていない

  • 説明と書面の内容が一致していない

といったケースです。

これらは法人・個人を問わず共通する問題であり、事前の条件整理と記録の有無が結果を大きく左右します。トラブルの多くは、条件整理や説明不足に起因するものであり、法人・社宅代行会社が意図的に不合理な主張を行うケースは、実務上は多くありません。


仲介会社・管理会社との役割整理|紹介される物件になるために

法人契約を増やすためには、仲介会社・管理会社との情報共有も重要です。

  • 条件を変更したが、現場に共有されていない

  • 法人対応の可否が営業担当ごとに曖昧

  • 過去のトラブルで紹介が止まっている(賃貸仲介会社で法人NG物件になったまま)

こうしたケースでは、条件を整えても実務が回りません

募集条件・契約条件・運用ルールを整理し、「この物件はどこまで対応できるか」を第三者が説明できる状態にすることがポイントです。


こんなお悩みがある場合は整理の余地があります

  • 空室対策として提案されるのが賃料下げや広告料増ばかり

  • 法人契約に興味はあるが、何を直せばよいかわからない

  • 管理会社は変えたくないが、結果は改善したい

  • 契約書修正が不安で法人を避けている

  • 仲介会社から「法人は難しい」と言われ続けている


RESUSの法人契約増加支援サービス|書類の点検で契約を伸ばす

当事務所では、空室率改善に悩むオーナー・管理会社向けに、法人契約を伸ばすための総合支援を行っています。

✅募集条件は法人にみられるものになっているか

✅契約条件は法人契約でNGとなるものは含まれていないか

✅実際の運用ルール(中小法人・大企業の条件対応)は実務的か

実務ベースで支援します。法人契約はオーナーに負担ばかりを強いると思われがちですが、実は契約条件の整理によって、個人契約とは異なる費用設計が可能となる場合もあり、結果として収益構造の見直しにつながるケースもあります。

主な支援内容(例)

◎募集資料・条件表の法人適合性点検

◎契約書条文・特約の整合性整理(ひな形含む)

◎現場運用(申込〜鍵渡し〜解約)の整理

◎管理会社・仲介会社向け物件紹介依頼資料の整備

◎一定期間の運用フォロー


料金の目安

現在の自社物件で「大手法人・社宅代行契約」がほとんどない場合、募集条件・契約条件・運用ルールのいずれかに見直し余地があるケースが多く見られます。

募集条件・募集資料の見直しアドバイス

55,000円(税込)〜
※複数物件の場合、1物件追加ごとに55,000円〜

募集条件・募集資料の見直しをご希望の場合は、以下の3点をご用意ください。

①物件資料

②契約書ひな形

③重要事項説明書

これらの資料を確認のうえ、募集条件・契約内容・不動産会社から見た物件の評価等について、現行の募集内容に問題や見直し余地がないかをプロの視点で点検し、具体的な改善アドバイスを付した「法人契約条件点検レポート」を提出いたします。

※契約書修正・運用整理・点検後の集客支援については、内容に応じて別途お見積りします。


よくある質問

Q. 法人契約にすれば必ず空室は埋まりますか?
A. 必ず埋まるとは限りませんが、法人契約の可能性を広げることで空室率が改善する可能性は高まります。

Q. 更新料や違約金は必ず削除が必要ですか?
A. 必須ではありませんが、法人の契約基準によっては候補外となることがあります。物件特性に応じて整理します。

Q. 管理会社を変えずに対応できますか?
A. 可能です。当社の点検レポートをPM委託先に提供することで、募集条件が見直され、法人契約に適合することができます。まずは条件整理と情報共有の方法を見直します。

Q. 築年数が古い物件でも法人契約の対象になりますか?

A. 築年数のみで一律に判断されることは多くありません。法人・社宅代行が重視するのは、立地・管理状態・募集条件・契約条件・運用の明確さなどの総合評価です。築年数が経過している物件でも、条件整理や情報開示が適切に行われていれば、法人契約の対象となるケースはあります。まずは「どの点が基準に合っていない可能性があるか」を整理することが重要です。

Q. 地方や郊外の物件でも法人契約は見込めますか?

A. 可能性はありますが、需要の性質を踏まえた整理が必要です。法人契約は都市部だけでなく、工場・研究所・営業拠点・医療福祉施設などを背景とした地方・郊外需要も存在します。
ただし、エリア特性に合わない条件設定や、法人側の運用に合わない契約内容の場合、候補から外れることがあります。立地そのものよりも、「そのエリアで想定される法人需要に条件が合っているか」を確認することが実務上のポイントです。


お問い合わせ

法人契約に関する募集条件・契約条件の整理をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ|「法人に選ばれる状態」を整えるという考え方

法人契約は特別な手法ではありません。法人に選ばれる条件に整え、あいまいな条件にせず、契約書類とあわせることで、大手法人に選ばれる物件に変わることができます。

費用をかける施策の前に、まずは条件整理から始める。それが「賃貸マンション経営」の現実的な第一歩です。