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【2025年版】営業職インセンティブ制度の設計方法と注意点|歩合給・成果報酬の法対応を社労士が解説
2025/08/26
はじめに
営業職の成果を正当に評価し、意欲と業績を引き出すには、「インセンティブ制度(成果報酬制度)」の設計が不可欠です。
一方で、「歩合給の制度がブラックに見られる」「残業代とどう両立すべきか分からない」といった悩みを持つ企業も多く、設計ミスが原因で労基署から是正勧告を受けるケースも散見されます。
この記事では、2025年の最新法令・労務トレンドを踏まえ、営業職向けの適法かつ実効性の高いインセンティブ制度の作り方を、労働法律の国家資格者(社労士)監修のもとで詳しく解説します。
インセンティブ制度とは?
営業成果(売上や契約数)に応じて、報酬を上乗せする仕組みです。主に以下のような形があります:
制度区分 | 内容 | 特徴 |
歩合給(出来高払制) | 基本給に加え、業績に応じた手当を支給 | 固定給+変動給でバランス重視 |
完全歩合制(フルコミ) | 基本給なし、成果のみに連動して報酬 | リスク高・業務委託での導入が多い |
報奨金・賞与型 | 月次や四半期ごとの成果に対し、一時金を支給 | 売上目標の達成度でメリハリがつけられる |
設計のポイント①:労働法との整合性を確保する
● 最低賃金の確保は必須
インセンティブ型でも、月給・時給換算で最低賃金(地域別)を下回ってはならないのが原則。
特に出来高払い(歩合給)を基本給に置き換える際は、成果ゼロでも一定の固定給を保証する必要があります(労基法27条)。
● 労働時間管理も必要
変動報酬制であっても、「労働時間=使用者の指揮命令下での拘束時間」であれば、残業代は必須です。
「成果報酬だから残業代は不要」という誤解は違法リスクにつながります。
設計のポイント②:インセンティブの基準を明確に
以下の観点で社内に「納得性」を持たせる仕組みが必要です。
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成果指標(KPI)を具体化:契約件数/売上/粗利など
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支給条件を明示:クレーム案件の除外、有効契約の定義など
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査定タイミング:月末締め or 四半期締め、いつ支給されるか
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上限・下限の設定:インセンティブだけで年収が極端に変動しない仕組みも重要
設計のポイント③:報酬の種類と性格を意識する
✔ 変動給の種類と労働保険の扱い
報酬種別 | 社会保険 | 雇用保険 | 所得税 | 備考 |
歩合給(出来高) | 対象 | 対象 | 対象 | 通常の給与扱い |
奨励金(報奨金) | 原則対象 | 原則対象 | 対象 | 業績連動型は注意 |
営業コンテスト賞金 | 条件次第 | 条件次第 | 原則対象 | 支給条件が明示されていれば問題なし |
よくある誤解とリスク
ケース | リスク内容 |
インセンティブのみで最低賃金を下回っている | 最賃法違反・労基署是正勧告の対象に |
固定給がゼロなのに出退勤管理がある | 実態は雇用、フルコミ形式でも違法に |
支給条件が曖昧(営業停止や解約時の扱い) | 不支給をめぐるトラブル・労働審判リスク |
営業個人の名刺に「部長」などの肩書あり | 業務委託契約でも労働者性を問われやすい |
インセンティブ制度設計フロー(社労士推奨)
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対象職種と職務内容の洗い出し
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基本給とのバランス設計(固定+変動の割合)
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業績評価指標と支給基準の決定
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トラブル想定ケース(クレーム、無効契約等)の整理
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就業規則・給与規程への反映
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制度説明・導入研修の実施
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毎年の見直し・検証体制の構築
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FAQ(営業向けインセンティブ制度)
Q1. 固定給ゼロでも合法ですか?
A:原則不可です。雇用契約であれば最低賃金の保証が必須。完全歩合給は業務委託でなければ合法になりにくい。
Q2. 成果がマイナスでも報酬を減らしていい?
A:インセンティブ分は減額可。ただしマイナス控除で基本給から天引きなどは原則NG。
Q3. 確定したインセンティブを支払わないとどうなる?
A:賃金不払いとして6%の遅延損害金+労基署通報のリスクあり。支給条件を明示しましょう。
おわりに
インセンティブ制度は、営業職のモチベーション向上に直結する一方で、設計ミスは企業の法的リスクや人材流出の要因にもなります。
2025年以降の労基署の監視強化や人材獲得競争を見据え、制度の透明性と法令適合性を両立させる仕組みづくりが重要です。
【記事監修】RESUS社会保険労務士事務所/山田雅人(宅地建物取引士・社会保険労務士)
大企業・上場企業を中心に10年にわたり全国500社以上の人事担当と面談、100社以上の社宅制度導入・見直し・廃止に携わった経験を活かし、不動産業専門に特化した社労士として事業主・従業員双方にメリットの高い制度設計など働きやすい職場に向けた取組を支援しています。
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