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【2025年版】退職後の残業代請求を防ぐには?企業がとるべき実務対策と対応フロー
2025/08/26
はじめに
「退職した元社員から残業代を請求された」「タイムカードが証拠になって未払いが認定された」
こうした退職後の残業代請求トラブルは、2025年現在も増加傾向にあります。SNSやYouTubeで労働法の知識が広まり、労働基準監督署や労働審判に訴えるケースも一般化しました。
本記事では、企業が未然に防止すべきポイントや発生後の対応フローを、労働関連法律の国家資格者(社労士)監修のもとで解説します。
1. 退職後でも残業代は請求できるのか?
はい、請求できます。労働者には「退職後2年(2025年現在)」の時効期間内であれば、過去の未払い残業代を請求する権利があります(労基法第115条)。
近年の傾向では:
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退職から数か月後に「内容証明」が届く
-
弁護士を通じて「労働審判申立て」が行われる
といったパターンが増加しています。むしろ残業代請求は退職後に行うのが一般的となりました。
2. よくある請求トラブルの事例
ケース | トラブル内容 |
タイムカードと賃金台帳が不一致 | 残業代の支払根拠が曖昧で企業側に不利 |
固定残業代制度の明示不足 | 「割増分が払われていない」と認定 |
サービス残業(上司の口頭指示) | 指示があったと主張され、労働時間認定 |
退職時の口頭合意が証拠不十分 | 「請求しない」と言ったが証拠がなく請求された |
3. 退職後の請求リスクを防ぐ方法(予防策)
✅ 対策①:労働時間の記録を整備
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タイムカード、勤怠システム、業務日報の整合性を保つ
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修正履歴もログとして保存(改ざんと誤解されないように)
✅ 対策②:固定残業代制度は明確に設計
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就業規則+労働条件通知書に明示
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みなし残業時間の上限と超過分の支払い明記
✅ 対策③:退職時の文書確認を徹底
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「賃金債権の精算確認書」などを交付
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本人が内容を理解・納得して署名していることが重要
✅ 対策④:給与明細の明細化
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基本給・残業代・固定残業代を項目ごとに明示
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何がどのように支払われているか、証明可能にしておく
4. 退職後に請求を受けたらどう対応するか
ステップ1:通知内容を確認
→ 内容証明や弁護士書面が届いた場合、慌てず全内容を精査
ステップ2:証拠を確認・整理
→ 勤怠記録、就業規則、賃金台帳などを用意
→ 対応履歴や労働条件通知書も重要
ステップ3:顧問社労士・顧問弁護士に相談
→ 事実認定と証拠の精度が勝敗を左右します
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FAQ(退職後の残業代請求に関するQ&A)
Q1. 退職時に「もう請求しない」と言ったのに通用しない?
A:口頭のみでは効力が弱く、書面で明確な内容が必要です。
Q2. 固定残業代制があれば問題ない?
A:いいえ。制度の設計・運用が不適切であれば、割増賃金未払いと認定されます。
Q3. 未払いを一部だけ支払えば解決する?
A:逆効果の場合もあります。全体を精査してから対応しましょう。
Q4:退職者から内容証明が届いたのですが、どうすればよいですか?
A:すでに具体的な請求や争いが生じている場合、弁護士法の規定により、社労士や行政書士が対応することはできません。弁護士へ相談し、法的な対応方針をご検討ください。なお、再発防止のための制度見直しは社労士が支援可能です。
おわりに
退職後の残業代請求は、記録と制度の整備不足が原因で企業側に不利に働きやすい分野です。
法令を正しく理解し、あらかじめ対策しておくことで、不要なリスクを大幅に削減できます。
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※在職者・退職者個人の残業代請求に関するご相談は承っておりません。専門の弁護士等にご相談ください。
【記事監修】RESUS社会保険労務士事務所/山田雅人(宅地建物取引士・社会保険労務士)
大企業・上場企業を中心に10年にわたり全国500社以上の人事担当と面談、100社以上の社宅制度導入・見直し・廃止に携わった経験を活かし、不動産業専門に特化した社労士として事業主・従業員双方にメリットの高い制度設計など働きやすい職場に向けた取組を支援しています。
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