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【不動産業向け】いよいよ始まる!労基法改正による違反事業所淘汰の波!

2021/07/26

2019年4月から随時施行されてきた働き方改革関連法は制度実施後1年以上が経過し、今後はいよいよ違反事業者の峻別に向けた「評価」の時期へと移行します。50年に一度と言われた労基法大改正は一時期大きく話題となりましたが、突如発生した新型コロナによって多くの事業所では取り組みかけた法改正対策がおざなりになっていることも多いようです。中小企業においては未だ半分以上が未対策または不十分と言われており、特に弁護士や社労士など労働にかかる専門家を日常利用していない零細企業では多岐にわたる働き方改革関連法と言われても全容を把握している事業所の方が稀です。とはいえ、施行1年以上を経過したにもかかわらず「知らなかった」では、労基署の指導による緊急対策費用や労使紛争トラブルなど手痛い出費が伴うリスクは避けられません。

中小事業所の不動産業者に顧客を多く持つ当社では、特に不動産業界で把握しておくべき法改正ポイントについて個別で案内しておりますが、まだまだ知らない会社も多いと感じることから、本ページにて要点を簡単にまとめて案内します。どれも無視することのできない重要ポイントばかりですので、事業主側の皆様は「十分理解できたし、社内でも説明できる」と胸を張れるようになるまではぬかりの無いよう復習をお願いします。

【改正ポイント①】時間外労働の上限規制

2020年4月以降から36協定による時間外労働の上限は月100時間未満、年間720時間未満とすることが義務付けられました。特別条項を適用できる月も年6回以内となります。施行から1年を迎える今年以降からその取り組みの評価は問われ、今後は確認のため労働基準監督署の調査が増えることが予想できます。なお、違反した雇用者は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が適用されます。


【改正ポイント②】
有給休暇の取得義務

年休を10日以上付与される従業員を対象に、付与した日(基準日)から1年以内に5日以上の有給休暇取得が義務化され、有給休暇管理簿は3年間の保管が義務化されます。付与するだけでなく、取得するまでの責任を事業主に持たせる改正であり、違反した雇用者は「30万円の罰金」が適用されます。有給休暇を取得しずらい小売や飲食サービス業のほか、人的管理が複雑化する中規模以上の企業では会社側からまとめて取得時期を指定する「一斉付与」の方法で対策することが多いようです。閑散のある不動産業界であれば、盆や正月の休暇の前後を指定して取得する方法や、部門や個人でそれぞれ取得時期を指定することも可能です。➡もっと詳しく

 

【改正ポイント③】労働時間の客観的把握義務

すべての従業員の労働時間を適切な方法で把握することが義務付けられ、その対象は部長やマネージャーなど、管理職や裁量労働制で働く社内上位職者も含まれることとなり、把握の方法は自己申告ではなく、使用者の現認による確認やタイムカード、ICカード、PCログなど客観的な記録方法が必要になります。部長や課長など管理職は時間外労働賃金支払いを適用除外(つまり、残業代を支払いしていない)としている場合や、変形労働時間制、みなし労働(固定残業代)などを導入する中小規模の不動産事業所では労働時間の把握によって誤りが発覚することが多くあります。自社で発見できればまだ軽傷の可能性が高いですが、本人が外部弁護士に相談した場合や労働基準監督署の臨検時に発見された場合はかなり大きなダメージを受けます。

客観的把握義務と併せて、残業代や休日出勤手当を適用除外としている管理職の扱いは適法かどうか確認しておくことをおすすめします。

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【改正ポイント④】時間外労働の割増率引き上げ(2023年4月から)

既に大企業では義務化されている、月60時間を超えた時間外労働の割増率50%が中小企業にも適用されます。現在の割増率25%から2倍の引上げとなります。正しい割増賃金率で支払しなければ未払い残業代が発生することになり、繁忙期のある不動産業では十分注意が必要です。不動産業界では固定残業代を多く見かけますが、実際の時間外労働が60時間を超過した部分は50%で計算したうえで、差額があれば支給が必要になります。(※民法改正により未払い残業代の請求時効は3年となります。)

不動産業は日本標準産業分類上「サービス業」に該当しますので、資本金5,000万円以下または常時使用する従業員数が100人以下の会社であれば2023年3月までは引き上げが猶予されますが、時間外労働の短縮は本当に大変です。短時間労働者やテレワークの活用、生産システムの導入など、試行錯誤にもかなりの時間がかかりますので取り組みはお早めに。

 

【改正ポイント⑤】同一労働同一賃金

同一労働同一賃金はILO他国際的な圧力から働き方改革関連の主軸であり、不条理な待遇格差の是正が求められています。急には対策できないものですが既に一定の猶予期間は経過しており、対応に遅れても紛争は待ってくれません。パート・アルバイト、派遣社員や契約社員などと正規社員を比較して賞与や昇給、福利厚生制度に待遇差がある場合は専門家への相談をおすすめします。

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【改正ポイント⑥】最低賃金の引上げ≪NEW!!≫

厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は令和3年7月14日、2021年度の最低賃金を過去最大規模となる全国平均28円(3.1%)の引き上げを決定しました。2021年10月以降は東京で1,041円、大阪では992円程度となることがほぼ確実となります。コロナ禍で苦しむ中小企業の心を折り、倒産の引き金になる等大きな批判を浴びていますが、最低賃金法違反は処分も厳しく、守れない会社は市場からの退場を余技なくされます。

 

制度改正の促進に助成金や補助金が用意されています。

中小企業・小規模事業者は働き方改革の取り組みだけでなく、被用者保険の適用拡大やインボイス導入など、今後複数年にわたり制度変更に直面します。政府は中小企業の負担軽減、制度の円滑な導入に向けて雇用に関連する各種助成金や生産性向上に資するデジタル機器等設備導入に対する補助金を用意していますが、制度の複雑さや情報の届きにくさで小規模事業者ではまだまだ利用が進んでいません。

不動産業に特化した労務・BPO専門の当社なら、法改正に対する具体的な対策指南の他、法人契約に係る事務代行サービスや、採用支援サービス補助金申請サポート業務等、それぞれの規模に応じた最適な支援策でリスク回避を実施し、経営の安定化をサポートします。

 

 

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【記事監修】RESUS社会保険労務士事務所/山田雅人(宅地建物取引士・社会保険労務士)
大企業・上場企業を中心に10年以上にわたり全国500社以上の人事担当と面談、100社以上の人事制度導入・見直し・廃止に携わった経験を活かし、不動産仲介業者に向けた事務代行サービスと、不動産会社に特化した社労士として新型コロナ禍における労務管理の指南のほか、非対面化やリスク回避に向けた社内制度設計など中小企業の働きやすい職場に向けた取組を支援しています。