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人手不足・採用難の不動産会社が取り組む正しい対策

2019/07/23

不動産営業職の人材不足はますます深刻に!

2019年4月時点での有効求人倍率は1.63倍。約50年ぶりの高水準【超売り手市場】に達しています。大手求人情報サイト「エン・ジャパン」の調査によると、特に人材不足が顕著な『IT・情報処理・インターネット関連業』、『不動産・建設関連』、『メーカー』の3業種においては90%以上の事業者が人材不足と回答しており、職種のトップは募集人数の多い『営業職』となっており、各社採用に苦戦しています。

理由のトップは『退職による欠員』から、『中途採用で人材確保ができなかった』、『既存業務の拡大、業績好調による業務量の増加』と続きます。

そして多くの事業所では求人広告の予算を増やしても「面接にまで至らない」、「面接の無断キャンセル」、「ミスマッチによる早期離職」、もしくは「応募者ゼロ」という悲惨な状態がほとんどで、最近では詐欺的な求人広告(ホワイト企業偽装)に手を染めてさらに悪循環を加速させている事業主もいます。人材不足が一定値を超えれば、顧客はいるのにスタッフがいない状態となり、事実上の黒字倒産も非現実的な話ではありません。

多くの事業主が回答した今後の対策については、「新規人材の採用(欠員の補充)」、「業務の効率化」、「社員教育、能力向上」と、不確実な期待に頼る方法で乗り切ろうと試みているほか、「経営者や管理職が作業を補う」、「残業・休日出勤等で対応」、「高い給与を提示して採用活動を行う」など苦肉の策、既存社員の離職を加速させる最終手段ともいえる方法で対策している会社の回答もあります。そして即効性のある手段として採用アウトソーシングサービスは大活況で、採用コストはやむをえないと考えている事業者が多いことを表しています。しかし、採用難・人材不足の状況と比例して年々人材獲得関連費用は高騰しています。

(2019.7.31付)2019年度の最低賃金は過去最大の引き上げが決定され、加重平均901円・東京は1,013円となることが決定しました。➡2019年の最低賃金は過去最高額へ

 

今後さらに厳しくなると言われている人手不足に、中小企業はどのように立ち向かえば良いのでしょうか。

人材業務アウトソーシングサービスを利用する場合

1.掲載課金タイプの求人媒体を利用した場合

アクセス数の多い大手媒体なら1か月の掲載で30万円近い広告費用がかかります。委託しておけば求人票もすべて作成してくれるため楽な方法ではありますが、採用できるかどうかの効果は会社によります。知名度のある大手企業であれば応募は期待できますが、知名度の低い中小企業は競合も多く、競争は熾烈です。「3カ月掲載したけれど採用に至らなかった」という中小企業は珍しくありません。

2.人材派遣・人材紹介サービス(転職エージェント)を利用した場合

入社が内定した場合は紹介会社へ想定年収の20%~30%の成果報酬を支払わなければならないため、年収400万円の従業員ならば100万円を超える支出が伴います。また不動産の事務職で人材派遣会社へ依頼すると、時間給の相場は交通費別途で大阪なら1,600円~2,000円、東京では2,000円~2,500円程度を支払わなければそこそこ使える人材は来ないといわれています。

3.成果報酬型求人媒体を利用した場合

掲載料は一切無料の成果報酬型求人媒体も多く存在し、コストの無駄は比較的少ないと言えますが、やはり採用決定時にはコストがかかります。最近は後発組の新規参入で成果報酬が安価な業者も存在し、サイト自体の価値(アクセス数)に比例するため一概には言えませんが、アルバイト採用で15万円~、正社員採用で30万円~程度は最低でもかかります。求人広告代理店も人手不足のため、採用人数も少なく継続見込みの低い中小企業は新人にあたらせるなど、ちょっと扱いが悪いのは仕方がありません。

また人材ビジネスを専門とするコンサルタント会社では、働く気の無い潜在人材にターゲットを絞る手法や、SNSを駆使して直接応募を増やす方法、地方学生への採用アプローチなど、本当に効果があるか疑わしい手法を提案しています。人材不足にあえぐ事業者は藁をもつかむ思いなのは理解できますが、働く人たちがどのように企業を選んでいるのか、選ばれる会社とはどんな会社かが全く無視されており、効果の無い方法で法外な手数料を請求する悪質なコンサル会社も多数あります。

これだけの高い外注コストを、何の躊躇もなく支払いできる中小企業はどれほどあるでしょうか。

これだけの高い外注コストをかけたことを従業員達が知れば、どのように思うでしょうか。

不動産会社が人材不足を回避する方法

一定人数以上の宅地建物取引士(宅建士)有資格者がいなければ業務を行ってはならない制約のある不動産業者で、宅建士が退職したことによって必要な資格者が不足している事業所の相談は常にあります。また、退職した従業員をそのまま残した形としている会社も耳にしたことがありますが、第三者からの申告や免許更新(5年)のタイミングで勤務実態調査が入るため不足したままでは宅建業の免許を更新することはできません。何としてでも確保しなければならないとは言うものの、宅建士有資格者に限定して採用活動を行ってもなかなか難しいと言います。

少しずつ経営者の意識は変わってきていますが、人材不足の全ての問題を解決するためには自社の働き方改革・労働環境改善しかありません。外部に救済を求めるのではなく、内部からの改革が必要です。

特に敬遠される長時間労働は企業として真剣に残業削減に取り組み、労働環境を適正化したうえでさらに付加価値を提供し、わかりにくく不満の多い固定残業代や変形労働時間制などは見直し、魅力的な職場環境を正しく公開する事でしか人材は定着せず、人材育成も採用活動も成功しません。

また、社内業務の効率化を推進するためにRPA(PC処理の自動化)と、BPO(業務の外部委託)は欠かせません。コア業務とノンコア業務を分類し、ノンコア業務は全てアウトソーシングするくらいでなければ労働時間は短縮されません。他社を圧倒するほどレベルの高い労働環境の不動産会社であれば、優秀な人材も定着し、また応募者を集めることが出来ます。客商売につき土日祝の休みは難しくても、平日で完全週休二日制の導入や閑散期の長期休暇など長時間労働への具体的な取り組みなどで従業員を大切にする適切な会社であることをアピールできれば、高い給与総額で誘引しなくてもいくらでも応募者は増えます。今はほとんどの不動産業者が不適切な労働環境ともいえるため、先行して着手すれば大きな利益を享受することが出来ます。もちろん、都市部や地方にかかわらず。

不動産業だけでなく、全ての事業者で採用難・人材不足を回避する方法は、

自社の労働環境を適正化すること

☑従業員へ高い付加価値で還元すること

☑労働環境を正しく公開すること

そうすれば従業員も定着し、採用関連コストも削減され、生産性が向上し、事業は好転します。経営者は経営者にしかわからない悩みを多数抱えていますが、それでも働く従業員達に目線を合わせることが必要です。月次売上ノルマ至上主義の体育会系パワハラ・セクハラ・長時間労働・サービス残業の蔓延するブラック企業が多い業界だからこそ、ホワイト企業は良く目立ちます。

 

【記事監修】RESUS社会保険労務士事務所/山田雅人(宅地建物取引士・社会保険労務士)
大企業・上場企業を中心に10年にわたり全国500社以上の人事担当と面談、100社以上の社宅制度導入・見直し・廃止に携わった経験を活かし、不動産業界に特化した社労士として働き方改革と人材定着を支援しています。

宅建士の採用代行ほか人材不足解消に関するご相談は

➡メール相談・お問い合わせフォーム

☎:06-6306-6536

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