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【不動産業向け】2025年最新版|労基法・働き方改革の違反企業が淘汰される時代へ!

2021/07/26

(最終更新日:2025/08/26)

中小企業の経営リスクを回避するために、最新の法改正ポイントと実務対策を今すぐ確認しましょう!

 

■ はじめに|“評価の時代”に突入する働き方改革

2019年4月から段階的に施行されてきた「働き方改革関連法」は、2025年現在、施行から6年が経過し、“制度導入”から“違反事業者の選別”フェーズへと突入しています。

とりわけ不動産業界では、業務の特性上「固定残業代制」や「変形労働時間制」を採用している企業も多く、労働時間の管理や賃金の適正性が重大な法令違反の温床になりかねません。

実際に、厚生労働省の指導により、是正勧告や罰則を受ける中小企業も増加しており、社内での法令知識不足がトラブルの火種となるケースが急増しています。


■ 不動産業者が押さえるべき主要な法改正ポイント【2025年版】

【①】時間外労働の上限規制(2020年施行済)

  • 原則:月45時間・年360時間(36協定による)

  • 特別条項付きでも:月100時間未満・年720時間以内/年6回まで

  • 違反すると:6ヶ月以下の懲役 or 30万円以下の罰金

不動産業の繁忙期(3月など)に集中する残業時間が上限を超えていないか定期的に見直しましょう。


【②】年次有給休暇の取得義務(2019年施行済)

  • 対象:年休10日以上の従業員

  • 義務:基準日から1年以内に5日以上取得させること

  • 管理簿:3年間の保存義務

  • 違反すると:30万円以下の罰金

▶ まとめて「お盆」や「年末年始」に取得させる一斉付与方式も有効です。


【③】労働時間の客観的把握義務(2019年施行済)

  • 対象:すべての従業員(管理職含む)

  • 方法:タイムカード、PCログ、ICカード等の記録必須

  • 自己申告はNG!

▶変形労働制・みなし残業制を導入している企業は特に注意。制度に頼りきりで記録を怠ると違反のリスクが高まります。


【④】月60時間超の残業の割増賃金率引き上げ(2023年4月中小企業に適用)

  • 改正内容:月60時間を超える時間外労働に50%の割増賃金支払いが必要

  • 未対応だと:未払い残業代発生リスク+時効3年で遡及請求される可能性

▶ 固定残業代制を採用していても、超過分(60時間超)は別途精算が必要です!


【⑤】同一労働同一賃金(2021年施行)

  • 対象:パート・アルバイト・契約社員・派遣社員

  • 比較項目:基本給、手当、賞与、福利厚生

  • 不合理な差があると:紛争リスク、労基署指導、損害賠償の可能性

▶ 不動産営業職など、雇用形態の違いがあっても「同一の仕事内容」であれば待遇差の説明責任が求められます。


【⑥】最低賃金の引上げ(毎年更新)

  • 2025年度最低賃金目安(例):

    • 東京:1,134円

    • 大阪:1,099円

    • 全国平均:1,040円超

  • 違反すると:最低賃金法違反で書類送検や営業停止命令の可能性

▶ 固定給社員も、月給を時間単価に換算して地域別最低賃金以上かを確認しましょう。


【⑦】育児・介護休業法の再改正(2025年4月施行)

  • 子の年齢制限が「小学校3年生修了まで」に拡大

  • テレワークなど柔軟な働き方の提供が努力義務に

  • 育休取得率の公表義務の対象が300人超→101人以上企業へ拡大

▶ 不動産業は少人数運営が多いため、育休取得・復職支援体制を整備することが信頼性にも直結します。


【⑧】宅地建物取引業法施行規則の改正(2025年1月・4月)

  • 従業者証明書の記載様式の変更

  • 重要事項説明書の押印不要化など電子化対応

▶ 違反すると「業務停止命令」など営業停止リスクも。不動産業界は必読です!

 


■ よくある質問(FAQ)

Q1:違反しても「知らなかった」で済まされますか?

A:いいえ、法改正後は「未対応」自体が違反です。経営者の法令理解と社内共有が不可欠です。

Q2:固定残業代で全てカバーしているはずですが問題ありますか?

A:60時間を超える残業には50%の割増率が必要です。差額精算がなければ違法となります。

Q3:副業社員や時短社員も対象になりますか?

A:はい、最低賃金や同一労働同一賃金の適用対象です。短時間勤務でも待遇の説明責任があります。

Q4:固定残業代を採用していますが、就業規則に書いていれば問題ありませんか?

A: 規則に記載していても、明確な内訳と超過分の精算がなければ違法となります。定期的な契約内容の見直しが必要です。

Q5:部長や課長などの管理職は、労働時間管理や残業代の対象外ですか?

A: 名称だけで判断されるものではありません。実際の勤務状況・裁量性・待遇により「管理監督者」に該当しない場合、残業代支払い義務があります。

Q6:パートやアルバイトでも年次有給休暇は発生しますか?

A: はい。週1日以上勤務など所定要件を満たせば発生します。管理簿の作成・保存も必要です。

 


■ サポートのご案内

当社(RESUS社会保険労務士事務所)では、不動産業に特化した労務管理、福利厚生制度設計、業務アウトソーシングを提供しています。

  • 就業規則・36協定の作成見直し

  • 労働時間管理システムの導入支援

  • 育児・介護休業制度の社内体制構築

  • 法改正研修の講師派遣

 

年間法人契約取扱高500件以上の仲介会社向け専門サービス

法人契約事務代行はこちらから

【記事監修】

RESUS社会保険労務士事務所/山田雅人
(社会保険労務士・宅地建物取引士)
不動産業に精通した実務家として、のべ500社以上の支援実績とコロナ禍を乗り越えた働き方改革支援を提供中。

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当社は不動産業界に特化したアウトソーサーとして、社内制度の見直し、業務アウトソーシング、人手不足解消の施策計画など、社内制度全般に係るコンサルティング業務を行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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